美味しい物
弟がおいしい食べ物に執着してきたのは、無理もない。あの母親と45年も一緒に暮らしているから。
私は26歳で結婚して、家を出たから、まだマシ。だいたい、高校生ぐらいから、あまり母親の料理を食べなくなっていた。あの母親の料理を食べたいと思った事がない。
小さい頃、よく作ってくれた物は、
油の中に生卵を割って入れて、揚げるだけ。
白身が広がり、ウニのような形になる。それに醤油をつけて、食べる。
黄身はまだいいけど、白身は、ゴワゴワになり、ゴムみたいになる。
お惣菜のお店で買ってきたおかずの時は、凄く嬉しかった。
ある日の夕食のおかずが、肉団子の天ぷらだった。それも揚げたて!
うまそうと、珍しく思った。
いっただきまーす!
ガブッ
うわっ!からーい!
なんだ?これ?
頭にツーンと来る!
口から吐き出して、中身を見た。
味噌だ!赤味噌だ!
なんの、ヒネリもなく、ただ丸めただけ!
水!水!早く水!
母親が、笑いながら、
バカだな〜!これは、そういう食べ方をするじゃないだよ。
と、正しい食べ方を教えてくれる。
兄弟3人、母親の食べ方を見る。
中身を割って、それを少しご飯に塗り付けて食べるだよ。少しずつだよ。あんまりつけると辛いでね。
あと、天ぷらの衣についてる味噌は、天ぷらの衣ごと、グチャグチャにして、ご飯と混ぜるだよ。わかった?
うん。
まだ、私たちは幼かったから、素直に従った。何しろ、みんな水をよく飲んだ事を覚えてる。
朝ご飯は、決まってカリカリになった冷たいご飯と味噌汁。以上。
こんな、カリカリの冷たいご飯食べたくないと言った事がある。
母親がすかさず
バカだなー!味噌汁がアツアツだもんで、味噌汁をかけて、食べると丁度いいだよ!おかあちゃんは、ちゃんと考えてやっとるだよって!
チッ!
思い出すだけでムカつく!
いつも、母親は決まって夕食後に言う言葉がある。
あ〜あ、なんかうまいもん、食べたいなー!
チッ! チッ!
あ〜、ムカつく!
子供は親を選べない!
なんで、こんな親?と嘆くより
ちょっと違うと思ったら、自分が賢くなれば、いい。
んー、名言!
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